戸建てを高く売るポイント　不動産売却コラム |

戸建て売却の流れ

戸建ての売却を検討している人にとって重要なのは、物件を最適な価格で市場に出すことです。しかし、その前に知っておくべきことが戸建て売却の流れです。ここでは、スムーズな売却を実現するための戸建て売却の流れを詳しく解説します。

不動産市場の相場を調査する

戸建てを売却する際には、不動産会社に相談する前に、まず自分で市場価格を把握することが重要です。これにより、成功するための第一歩を踏み出せます。
スムーズな売却を実現するためには適切な価格設定が大切で、相場を正確に把握することが欠かせません。自分で市場調査を行うことで、後に不動産会社に依頼する査定の際にも、提案される価格の妥当性を判断することができます。

不動産会社への相談・査定依頼

戸建てを売る際、適切な不動産会社の選択が鍵となります。不動産会社に相談し、査定を依頼することから始めましょう。不動産会社に査定を依頼する際には、査定に必要な書類を整理し、準備しておくことが大切です。

不動産会社の査定額が売却価格になるとは限りませんが、少なくとも金額のイメージを持つことは重要です。これにより、売却戦略の方針を考える際の指針となります。
戸建てが所在する場所や形状によっては、相場よりも価格を下げて売却をする必要性が出てくる場合もあります。そのため、最初に不動産会社と相談をして、状況に合わせた戦略を検討しましょう。

媒介契約

不動産会社を選んだら、選んだ会社と媒介契約を締結する必要があります。媒介契約には3つの種類があるため、それぞれ解説します。

専属専任媒介契約
専属専任媒介契約は、一社の不動産会社に委託する契約形態です。この契約を結ぶと、一社に限定して取引を進めることになります。
専属専任媒介契約を結んだ不動産会社は、物件情報を最大5営業日以内にレインズ（不動産流通情報システム）に登録し、進捗状況を週に1回以上売主に報告する責任があります。これにより、販売活動の透明性が確保されるでしょう。

専任媒介契約
専任媒介契約は、不動産会社を一社に限定しつつ、自らも購入希望者を探すことができる契約形態です。
専任媒介契約を結ぶと、不動産会社は最大7営業日以内にレインズ（不動産流通情報システム）に物件情報を登録し、売主に対して2週間に1回以上の頻度で進捗状況を報告する責任があります。こうしたプロセスにより、売主は物件のマーケティングと販売活動の透明性を保つことができます。一方で、自分で購入希望者を見つける選択肢も残るため、柔軟性があると言えるでしょう。

一般媒介契約
一般媒介契約は、複数の不動産会社に依頼でき、自らも購入希望者を探せる契約形態です。
一般媒介契約を結ぶ不動産会社は、レインズへの物件情報の登録や売主への報告が法的に義務づけられていません。義務がないため、販売活動の状況を定期的に報告してくれる不動産会社が信頼できると言えるでしょう。

一般媒介契約の利点は、複数の不動産会社に依頼できるため、探索範囲が広がり迅速に買主を見つけられる可能性があることです。ただし、注意すべき点は、不動産会社の業務の優先順位が低くなることです。そのため、売主は進捗の確認やコミュニケーションを取りながら、販売活動の円滑さを確保する必要があるでしょう。

販売活動・内覧準備

不動産会社と契約が成立すると、住まいの売却活動と内覧の準備がスタートし、ネット広告やチラシなどを通じて住まいを宣伝し、潜在的な購入希望者を見つけます。

特に専属専任媒介契約を結んだ場合、不動産会社が広告展開や顧客連絡を担当するため、売主は進捗を待つ立場にあります。一方、一般媒介契約を選んだ場合は、売主も物件の掲載状況をチェックしながら販売活動を追う必要があるでしょう。

内覧が予定されている際は、住まいの清掃や整理整頓を忘れずに行うことが大切です。物件の魅力を最大限に引き出し、購入希望者に良い印象を与えることで購入の可能性が高くなります。これらの注意と準備が、スムーズな売却と良好な取引につながるでしょう。

内覧

購入希望者が現れたら内覧を行ないます。内覧では通常、不動産会社の担当者が同行して案内を行いますが、売主も同席し、住まいの魅力や特徴をアピールする機会があります。
売主が同席する場合、内覧前に住まいのポジティブな側面や周辺環境の情報を整理しておくことが大切です。

また、近隣の便利なお店や施設に関する情報を持参することもおすすめです。これにより、購入希望者とのコミュニケーションが円滑に進むでしょう。購入希望者も、協力的で親切な売主との取引を望む傾向があります。内覧を通じて住まいの魅力を的確に伝え、信頼関係を築くことで取引の成功率が高くなります。

買付(購入申込書)をもらう

内覧で好意的な印象を持たれた場合、不動産会社を介して買付（購入申込書）をもらう必要があります。買付には、購入希望者の条件や要望が具体的に記載されています。売主はこれを検討し、売買契約を締結するかどうかを判断しましょう。

売主は、不動産会社の担当者と協力して買付の内容を詳細に確認し、適切な対応を検討します。この段階での迅速な行動が重要です。時間をかけすぎると、購入希望者が他の物件を検討する可能性が高まります。したがって、迅速な対応が購入希望者との信頼関係を築き、取引の成功につながるポイントとなります。

売買契約

双方が買付の内容に合意したら、売買契約を締結します。売買契約には、以下の項目などが記載されています。

・売買物件の詳細

・金額や支払い日程

・土地の面積や価格の計算方法

・所有権の移転と引き渡し日

・付帯設備の引き継ぎ方法

・税金の取り決め

・契約違反時の対処方法

・ローンの特約

特に、買主が住宅ローンを組んで購入するかどうかを確認することが大切です。
ローンを組む場合、どの金融機関から借りるのか、審査の進行状況なども確認しておくと良いでしょう。

引き渡し・決済

戸建ての売却の最後は、引き渡しと決済が同時に行われます。売買契約締結後、通常2週間から1か月程度で購入希望者のローン審査の結果が出るため、審査に問題がなければ、住まいの引き渡し日を設定しましょう。

売主は引き渡しを待つだけですが、引き渡しの日が近づくと、物件を整理整頓しておく必要があります。引き渡し後、購入代金が支払われ、残債があればローン返済が必要です。そして、司法書士による登記手続きが行われます。仲介手数料などの諸費用をまとめて支払えば、戸建ての売却手続きは完了です。

戸建てを高く売却する為のポイント

戸建ての売却を考える際、一番の懸念はどうやって高く売却するかということでしょう。適切な価格設定から、物件の魅力を最大限に引き出す方法まで、高く売却するためのポイントは数多く存在します。ここでは、戸建てをより高い価格で売却するための具体的な方法について詳しく解説します。

高く売れるように現状を把握する

戸建てを売却する際、まず不動産会社に相談し、戸建ての詳細情報や周辺環境を共有します。しかし、自分自身が自宅の詳細を正確に知っていることはほとんどないでしょう。戸建てを売る前に、自分で戸建ての情報を調査することが大切です。これによって、スムーズな販売活動ができるでしょう。

まず、戸建ての良いポイントを明確に把握しましょう。築年数や場所は評価要素ですが、新しい設備や便利な施設、静かな環境なども魅力と言えます。これらのポイントを把握し、内覧時にアピールすることで、売却成功の確率が高まるでしょう。

同時に、弱点や問題も見逃さないように気を付けましょう。故障した設備や道路の状態、耐震基準の問題など、隠れた課題があると後でトラブルに発展する可能性があります。特に、2020年4月1日に導入された法律により、契約不適合責任が発生するようになったため注意が必要です。

相場を把握する

不動産会社からの査定を受ける前に売却価格の相場を確認することが大切です。中には、不動産会社が自身の利益を優先して高額な査定額を提示するケースもあるため注意しましょう。
相場を超える査定額が提示される場合は、その根拠をしっかりと尋ねることが大切です。何に基づいてその金額が設定されたのかを理解することで、査定の信頼性を確認できます。

事前に相場を知っておくことで、売主は不動産会社に対して質問ができるようになるでしょう。相場を知り、査定に関して適切な質問を行うことで、自身の権益を守ることができます。
不動産売却において、単に指示通りに進めるのではなく、自ら情報収集を行い、的確な判断を下すことが成功へのカギとなるでしょう。

高く売れるタイミング

戸建てが高く売れるタイミングとしては主に以下の2つが挙げられます。

・住宅ローンの金利が低いとき

・不動産市場が動く時期

住宅ローンの金利が低ければ返済額の負担が少なくなるため、購入希望者がチャンスと考えます。また、1月～3月は新学期や会社員の異動に向けた引越しをする人が多く、1年間の中で最も不動産市場が動く時期です。

共通しているのは「購入希望者が増えるタイミング」ということです。購入希望者が増えることで、相場よりも多少価格を上げても購入してもらえる可能性が高まります。
一般的にこれらのタイミングで売却価格を高めることができますが、地域特有のタイミングなどがある可能性もあるため、売却をするタイミングについては不動産会社に相談してみましょう。

内覧で良く見せる

購入希望者が戸建てを内覧するのは、重要なイベントです。内覧の印象が購入の決定に影響を与えるため、内覧を成功させるためのポイントを具体的に把握する必要があります。
まず、戸建てをきれいに整えることが大切です。徹底的に掃除を行い、見学者がきれいな状態で戸建てを見られるように準備しましょう。

内覧に訪れる人たちは、これまでの住人に興味を持つため、笑顔で出迎えることや、質問に丁寧に答えることで、良い印象を与えることができます。
ただし、全員で出迎えると圧迫感を感じるかもしれないため、1人か2人で対応することを心がけましょう。また、収納スペースや納戸も見せてほしいと要望が出る可能性を考慮し、戸建て全体を見学者の目線で整えることが大切です。

戸建ての売却に強い不動産会社に依頼する

戸建てを高く売却するためには、最初のステップである不動産会社の選択が極めて重要です。売却の成否は、最初に選ぶ不動産会社によって大きく影響を受けます。なぜなら、不動産会社ごとに提示される査定額が異なるからです。

経験豊富で広い販売ネットワークを持つ不動産会社は、高い売却価格を実現する力を備えています。そのため、自分の戸建てに適した専門の不動産会社や、特定の地域に精通している会社を選ぶことが重要です。

査定額だけでなく、担当者の専門知識や経験に基づくアドバイス、接客の対応なども重要なポイントとなるため、判断材料にしましょう。高額の査定だけでなく、信頼性のある不動産会社を選ぶことで、成功に向けた販売活動を進めることができます。しっかりとした選択を通じて、最適な結果を追求しましょう。

不動産会社の言いなりにならない

不動産会社の指示通りに進めてしまうと、売買の成約を急ぐために成約価格を下げられる可能性があります。そのため、自分の希望よりも低い価格で売却されてしまうことがあります。

実際には多くはありませんが、不動産会社が購入希望者と共謀して価格を引き下げ、手数料を得る悪質な例も存在するため、このような事例を避けるためにも、注意をしておきましょう。

信頼できる不動産会社に依頼することは重要ですが、全てを会社の指示に従うのではなく、自分の希望や最適な価格にしっかりと固執することが大切です。販売活動での意思疎通や価格交渉を適切に行い、自分の利益を守るためにも、主導権を持つ姿勢が必要です。

まとめ

今回の記事では、戸建てを売却する際の流れと、高く売るためのポイントを紹介しました。ポイントを抑えておかないと、相場よりも低い価格で売却をしてしまう可能性や、悪質な不動産会社に騙されてしまうケースもあります。そのため、不動産会社は慎重に選択し、ご自身でも正しい知識を身に付けておくことが大切です。